メキシコ20世紀絵画展 続報
先日、簡単にお知らせしました「メキシコ20世紀絵画展」の概要を世田谷美術館より転載します。
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メキシコ20世紀絵画展
美術によって自分たちを再確認し、その先を目指した国
メキシコの近代化は、長く続いた植民地支配からの独立の後、国際社会のなかで自らのアイデンティティを再確認する過程だったといえるでしょう。メキシコの美術もまた、その社会の変動と密接に結びついていました。メキシコ革命がおこり、民族の歴史と社会状況への意識が高まるなかで発生した壁画運動は、人々に向けて強いメッセージを発信するとともに、独自の絵画表現を創造する行為でもありました。また民族性を踏まえつつ、より普遍的なテーマを描き続けることで、自己の表現を深めていった画家たちも現れていきます。この民族性と国際性の二つの潮流を背景に持ったメキシコの絵画は、同時代の多くの芸術家に刺激を与えました。
今、私たちにとってこれらの作品が魅力的に感じられるのは、メキシコという国が持つ複雑な歴史が、一枚の絵のなかに込められているからかもしれません。そして、その絵を見る多くの人々が、歴史と向きあう画家の精神と自分自身の姿とを照らし合わせることになるでしょう。
本展覧会ではメキシコ国内各地の美術館、個人が所蔵している約70点の作品で、「近代化への道のり」をテーマに、メキシコの近代絵画の展開をご紹介いたします。
また併せて、名古屋市美術館が所蔵するホセ・グァダルーペ・ポサダの作品を展示いたします。
フリーダ・カーロ《メダリオンをつけた自画像》1948年、個人蔵 ©Banco de México, “Fiduciario” en el Fideicomiso relativo a los Museos Diego Rivera y Frida Kahlo. Photo©Francisco Kochen
会期: 2009年7月4日(土)~8月30日(日)
休館日: 月曜日[ただし7月20日(月・祝)は開館、7月21日(火)は休館]
開館時間: 午前10時~午後6時(入場は閉館の30分前まで)
会場: 世田谷美術館 1階展示室 (東京都世田谷区砧公園1-2)
観覧料: 一般1,200円、大高生/65歳以上900円、中小生500円
主催: 世田谷美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞東京本社、メキシコ国立文化芸術審議会、メキシコ国立芸術院
後援: 外務省、メキシコ大使館
協賛: 日本写真印刷、パナソニック、三井住友海上火災保険
第1章 文明の受容
メキシコが近代国家を目指していく過程で、近代的な社会秩序を構築する必要がありました。そのために絵は社会に奉仕し、公共の空間において国家の秩序を補う役割を担いました。その時、画家たちは自らの表現を貫くために、現実からあるテーマを抜き出し、それをもう一度現実的であるように再構成します。歴史上の人物、出来事を描くことで、祖国のイメージを作り出そうとした作品は、画家の頭のなかで創造された現実ということもできるでしょう。
主な作品:
ディエゴ・リベラ《死者の日》1944年頃、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
ホセ・クレメンテ・オロスコ《十字架を自らの手で壊すキリスト》1943年、INBA/カリーリョ・ヒル美術館蔵
ガブリエル・フェルナンド・レデスマ《都会の弁士》1928年頃、ブライステン・コレクション
第2章 文化の発信 主な作品: 第3章 進歩 主な作品:
絵はさまざまなメッセージを発信しています。第1章のとおり、メキシコの近代絵画は、メキシコ革命以降の新しいメキシコの姿とメキシコ固有の文化を発信しようとするものでありました。その発信先は、国外と国内の一般市民の2つに分けることができます。メッセージを明確に発信するためには、伝えるべきメッセージがストレートに描かれなければならないのですが、今あらためて、これらの作品を見てみると、そのような政府の目的を超えて、それぞれの画家の感性が強く表わされていることがわかります。
ホセ・チャベス・モラド《ツォンパントリ(骸骨の城)》1931年、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
サトゥルニノ・エラン《収穫》1909年、ブライステン・コレクション
ダビッド・アルファロ・シケイロス《クアテモックへの讃歌》1950年、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
メキシコ革命以降の絵画は、どのような社会モデルや美術表現のモデルが、メキシコの新しい美術として、さらには自分たちのアイデンティティとして相応しいかを、模索していました。そのなかで、描くべき社会的メッセージよりも、世界的な同時性のなかの美術作品であることに重点を置き、海外の美術動向や、過去の事例に学んで、自分の表現を創造していった作品をこの章で取り上げます。この動きがあったからこそ、メキシコの美術は世界的に注目され、現代までその高い評価が続いているのです。
フリーダ・カーロ《メダリオンをつけた自画像》1948年、個人蔵
ルフィーノ・タマヨ《自画像》1946/67年、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
ディエゴ・リベラ《夜の風景》1947年、INBA/メキシコ国立近代美術館蔵
【関連企画】
記念講演会「メキシコ絵画の魅力」
出演: 講師:加藤薫(美術評論家、神奈川大学教授)
日時: 7月11日(土)13:30分開場、14:00開演
会場: 講堂
定員: 当日先着150名
参加費: 無料
その他: 手話通訳付き
えのぐ遊びワークショップ~メキシコ色のものがたり
大きくて、まっしろな紙の上に、からだをいっぱいつかって自由に表現するワークショップ。開催中のメキシコ20世紀絵画展を鑑賞したあと、カラフルなメキシコの色を思い浮かべ、みんなで壁画を作ろう。手足を絵の具まみれにさせて、おもいっきり、お絵かき遊び!!
出演: リーダー:前沢知子(アーティスト)
日時: 7月12日(日)11:00~12:00
申込方法: 当館ホームページにて6月25日より申し込み開始。
会場: 地下創作室
定員: 先着15名
対象: 小学校低学年以下
※保護者の方がご同伴ください
参加費: 300円
ワークショップ「誰もいない美術館で vol.22 めきしこ・ガイコツ・ものがたり?」
展示品にヒントを得て、参加者がパフォーマンスをつくり、閉館後の誰もいない美術館で発表します。演劇家&美術家といっしょ に“あるモノ”をつくって、ウソとホントが入り混じる物語を演じてみませんか?出演: 講師:柏木陽(演出家)、荒木珠奈(美術家)
日時: 7月19日(日)、20日(月・祝)両日とも13:00~18:00(発表会:20日19:00~20:00)
申込締切日: 申込み先着順
会場: 創作室、講堂、展示室
定員: 10代=15名程度、20歳以上=5名程度
参加費: 無料(20歳以上は2,000円)
その他: 助成:子どもゆめ基金
朗読会「メキシコの詩を聴く」
メキシコで生まれた詩の朗読を、展示室内で行います。絵画作品に囲まれながら、オクタビオ・パスなどの詩の世界を、スペイン語の響きでお楽しみ下さい。(日本語訳を配布予定です)
出演: 出演:大越タニア
日時: 7月26日(日)14:00~/ 15:00~/16:00~/ 各回20分程度
会場: 展示室内
参加費: 無料(ただし展覧会観覧券が必要)
詳細、及び企画イベント申込みについては、世田谷美術館のホームページをご覧下さい。



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